ロレックスブログ2020

辣腕起業家、シルマケスの存在

フランク・ミュラーの成功を考えるとき、忘れてはならないのがヴァルタン・シルマケスの存在だ。アルメニアに生まれた彼は、ジュネーブの宝石商で見習いを経た後、宝石商として身を立てた。

1989年、フランク・ミュラーと出会った彼は、その成功を確信。92年、フランク・ミュラー ブランドの会社を立ち上げ、97年には新オフィスと工房をジャントゥにつくるにいたった。

いまでこそ著名なフランクだが、当時はまだ一介の時計師としか見なされていなかった。そこに目をつけ、投資を惜しまなかったシルマケスの慧眼には、改めて驚かされる。

またシルマケスの知られざる功績には、トノウケースの量産化がある。91年、フランク・ミュラーはトノウケースを開発したが、量産は不可能と思われた。手に取るとわかるが、フランクのトノウケースは極めて複雑な造形をもつ。とりわけ風防にあたる硬いサファイアクリスタルは、三次元状にカットされている。

当時これを実現できるメーカーは、スイスに存在しなかった。あったとしても、彼らは新興メーカーには極めて冷淡だった。フランクとシルマケスは、優れたケースメーカーであるエコフェから技術を習得。ケースの内製化に成功した。

現在さまざまなケースバリエーションを誇るフランク・ミュラー。その一因には、自社でケースをつくれる体制があることを、決して無視してはいけないだろう。


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