ロレックスブログ2020

独自の見識を示したブルガリ 文・渋谷ヤスヒト

スイス・ジュネーブに本社を置く世界トップのデータセキュリティ企業「WISeKey(ワイズキー)」社とのパートナーシップから生まれたこの腕時計は、軽量なマグネシウム合金と強靭な樹脂を中央部分に使ったSS製ケースを採用。この中には、ブルガリ完全自社製の自動巻きムーブメントが搭載されている。だから機械式の高級時計として、世代を超えて使うことができる。

そしてこの腕時計の中にはさらに、NFC(近距離無線通信)チップと通信用アンテナが組み込まれている。ユーザーは自分のスマートフォンに専用アプリケーション「ブルガリ・ヴォルト・アプリケーション」をインストールしておく。

そこで、この腕時計をスマートフォンに近づけると、腕時計の中に内蔵されたNFCチップが起動し通信を開始。このソフトの機能が使えるようになる。そしてこの腕時計とスマートフォンのこのソフトが実現してくれるのが、ネット時代の下も身近で大きな危険から財産や情報を守ってくれる「セキュリティ機能」だ。

腕時計のNFCチップにはデジタル証明書が記録されていて、このデータが電子鍵になって、銀行口座にアクセスしての支払い決済や、自分の貴重なデータを保管するデータセンターへのアクセスが、銀行のネットワークレベルという高いセキュリティレベルで行えるのである。

さらにこの腕時計(の中のデジタル証明書)をIDや鍵として使って、将来的には建物のドアやクルマのドアの開閉、交通チケットの購入・支払い、クラブの会員証・入館証としての利用などが、安全に行えるようになるという。このNFCチップはスマートフォンをかざしたときに内部に流れる誘導電流を電源にして作動するので、バッテリの劣化や交換の必要もない。

「スマートフォンでできることをわざわざ腕時計ですることはない」と、ブルガリCEOのジャン-クリストフ・ババン氏は主張する。

確かに、このコンセプトモデルで呈示された「いつでも身に着けている腕時計を最強のIDにする=セキュリティのキーとして使う」というアイデアは、高級時計を愛用するセレブリティにはうれしい機能。現時点では発売時期も販売価格も未定だが、製品化されればセレブリティの間でかなりの人気を集めるかもしれない。


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